今月のミニ防災教室

  • このコーナーは私たち『災害ボランティア加西らかん』会員がこれまでに「ひょうご防災リーダー」、「防災士」として培った知識や《災害ボランティア》として被災地で経験したことを自分たちの知識・経験とするだけでなく、それらを皆さまに少しでもお伝えして、日頃からの防災・減災の意識を高めていただきたいと思い、新たに設けました。

  • ​毎月少しずつですが防災に関係する知識をお伝えしていきたいと思います。

 

2020年6月

 

 沖縄や奄美諸島では既に梅雨本番となっていますが、本州ではこれからいよいよ梅雨入りの時期を迎え、先日に九州南部・四国も梅雨入りしました。

 梅雨末期では毎年のように豪雨災害・土砂災害が発生しており、今年も災害の発生が懸念されます。今年はそれに加えて新型コロナウイルス禍というこれまでに経験のない困難な状況下での対応が必要です。

 そんな状況でもまず 「自分の命は自分で守る」 自助の行動を大切に、日頃から地域の防災マップで自分の地域の危険性を再確認しましょう。

 そこで、6月は過去の『土砂災害・浸水害・洪水災害』について特集をすることにしました。決して他人事ではありません !!

※ 新型コロナウイルス感染症に対応した避難所運営ガイドライン(兵庫県)

※ 文章および図は「気象庁」ホームページより引用

台⾵や集中豪⾬から⾝を守るために】

 大陸と大洋にはさまれた我が国では、季節の変わり目には梅⾬前線や秋⾬前線が停滞してしばしば大⾬を降らせます。台風や前線を伴った低気圧が⽇本付近を通過するときも広い範囲に大⾬を降らせることがあります。

 また、前線や低気圧などの影響や⾬を降らせやすい地形の効果によって、積乱雲が同じ場所で次々と発生・発達を繰り返すことにより起きる集中豪⾬では、激しい⾬が数時間にわたって降り続き、狭い地域に数百mmの総⾬量となります。毎年、こうした⼤⾬によって河川の氾濫⼟砂災害が発生しています。また、暴風、高波、高潮などによっても災害が発生しています。
 

気象庁は、このような気象災害を防止・軽減するために警報や気象情報などの防災気象情報を発表し、注意や警戒を呼びかけています。災害から身を守るためには、これらの防災気象情報を有効に活⽤することが重要です

土砂災害】

 ⼟砂災害は、すさまじい破壊力をもつ⼟砂が、⼀瞬にして多くの⼈命や住宅などの財産を奪ってしまう恐ろしい災害です⼭腹や川底の大石や⼟砂が集中豪⾬などによって⼀気に下流へと押し流される現象を⼟石流といいます

また、⼭の斜⾯や自然の急傾斜の崖、⼈⼯的な造成による斜⾯が突然崩れ落ちることを崖崩れといいます
 

⼟砂災害の例(平成24年7月 熊本県阿蘇市)
 7月11⽇から14⽇にかけて、本州付近に停滞した梅⾬前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだため、九州北部を中⼼に大⾬となりました(平成24年7月九州北部豪⾬)。

この⼤⾬により、熊本県の阿蘇地域(阿蘇市、高森町、南阿蘇村)では⼟石流や崖崩れが多発し、死者・行方不明者25⼈が生じるなど大きな被害となりました。
低気圧や台風、前線などによって積乱雲が同じ場所で次々と発生・発達を繰り返し、数時間で100mmから数百mmという大量の⾬を狭い範囲に降らせることがありますこのような⾬を「
集中豪⾬」といいます

 

下のグラフと図は、梅⾬前線によって発生した集中豪⾬における⾬量の推移と分布を⽰したものです。平成24年7月12⽇の未明から朝にかけて、熊本県阿蘇市阿蘇⼄姫では1時間に80㎜を超える猛烈な⾬が4時間にわたって降り続き、総⾬量は500mmに達しました。⾬量分布図からは、熊本県の北部で特に⾬量が多くなっていることが分かります。
 

【浸水害】

 ⼤⾬等による地表⽔の増加に排⽔が追いつかず、⽤⽔路、下⽔溝などがあふれて氾濫したり、河川の増⽔や⾼潮によって排⽔が阻まれたりして、住宅や⽥畑が⽔につかる災害を浸⽔害といいます内⽔氾濫と呼ぶこともあります。また、道路や⽥畑が⽔につかることを冠⽔いうこともあります。
 

・浸⽔害の例(平成20年8月29⽇ 愛知県⼀宮市)
南から湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となり、愛知県を中⼼に記録的な大⾬となりました。⼀宮市では時間⾬量が100mmを超える猛烈な⾬が降り、道路の冠⽔等が発生しました。

【洪水災害】

 大⾬や融雪などを原因として、河川の流量が異常に増加することによって堤防の浸食や決壊、橋の流出等が起こる災害を洪水災害といいます。⼀般的には、堤防の決壊や河川の水が堤防を越えたりすることにより起こる氾濫を洪水と呼んでいます。
 

・洪水災害の例(平成24年7月 九州北部豪⾬)
7月 11⽇から14⽇にかけて、⻩海から本州付近にのびる梅⾬前線に沿って非常に湿った空気が流れ込み、九州北部地方を中⼼に記録的な大⾬になりました
これらの大⾬により、河川のはん濫や土石流、がけ崩れ等が発生し、熊本県、大分県、福岡県で死者30名、行方不明者2名となったほか、九州北部地方を中⼼に1万棟を超える住家の損壊・浸⽔等が発生しました。
河川については、矢部川で堤防が決壊し、白川、合志川及び花月川等で護岸崩壊等が発生し、各地で浸⽔被害等が多数発生しました。

 

ミニ辞典

線状降水帯って何?

※ 文章および図は「ライフレンジャー」ホームページより引用

線状降水帯(せんじょうこうすいたい)

 

 列島各地で大雨による警戒が発令されています。災害をもたらすほどの大雨を降らせているのは「線状降水帯(せんじょうこうすいたい)」ですが、この「線状降水帯」についは気象学的に厳密な定義が存在しておらず⻑さ約50〜300km・幅20〜50kmに及ぶ降雨のことを指します。

⼀般には聞き慣れない言葉だと思いますが、ニュースでも頻繁にこの言葉を耳にするようになりました。

線状降水帯はどのように形成されるのか

 線状降水帯の形成過程はいくつかありますが、⽇本でよく⾒られるのはバックビルディング型と呼ばれるものです。
バックビルディング型とは、積乱雲が⾵上側の同じ場所で次々と発⽣して成⻑しながら⾵下側に流され線状になっていくこと。このため、同じ場所で⻑時間大雨が続くことになるのです。

「平成29年7月九州北部豪雨」

 死者77名(災害関連死者を含む)、負傷者44名、家屋の全壊133棟、半壊122棟という甚大な被害をもたらした2014年8⽉に発⽣した広島の土砂災害や、多くの⽅々が避難⽣活を余儀なくされた九州北部豪雨もこの線状降水帯によって引き起こされたものです。


メカニズムをすぐに理解するのは難しいかもしれませんが線状降水帯=大雨が同じ場所で続く、災害の危険がある」と覚えておいてください。

 
 
 
 
 

2020年5月

 

 昨年末(2019年12月)に中国・湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス(COVID-19)は当初WHOの発表では人~人への感染はないとの見解で安心してましたが、中国の春節を境に瞬く間に世界に広がり、我が日本でも当初はクルーズ船『ダイヤモンドプリンセス』での集団感染に始まり、その後瞬く間に日本国中に感染が拡大し、4月末で感染者数が12,000人を超え、また死者数も300人を超えており、いつになったら終息するのかの見当も全くつかない状態です。

 このような新型コロナウイルス禍で懸念されるのが、自然災害の発生です。このような状況下で自然災害が起こり、これまで通りに避難所を運営した場合には大規模なクラスター(集団感染)が発生する危険性が大であり、対応がより一層困難になるのは間違いありません。

 そこで、5月は急きょ『新型コロナウイルス禍での避難所運営』について特集をすることにしました。皆さまも一度考えてみて下さい。

新型コロナウイルス(COVID-19)禍での

     避難所運営】はどうしたら良いのか?

1.国の対応

 4月1日に国(内閣府・消防庁・厚生労働省)より各都道府県、保健所設置市、特別区宛てに『避難所における新型コロナウイルス感染症への対応について』という文書が発行されました。

 その後4月7日に国(内閣府・消防庁・厚生労働省)より各都道府県、保健所設置市、特別区宛てに『避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について』という文書が発行されました。

2.学会等の対応

 

①避難所・避難生活学会

4月7日の国(内閣府・消防庁・厚生労働省)より各都道府県、保健所設置市、特別区宛てに『避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について』受けて「避難所・避難生活学会」が『COVID-19 禍での水害時避難所設置について』という文書にてより具体化された資料を作成され、各自治体災害対応担当者宛てに発行されました。

②JAMSNET

筆者が「ひょうご防災リーダー講座」を受講した時の講師の一人だった高知大学・看護学部の神原咲子先生らが『COVID-19(新型コロナウイルス感染症)流行下における水害発生時の防災・災害対策を考えるためのガイド(2020/04/14版』を作成されています。

※ 我々『災害ボランティア加西らかん』も以上の資料を参考に、これからのボランティア活動への対応を検討していきます。

​ 皆様も一致団結してこの新型コロナウイルス禍を乗り切りましょう !!

ミニ辞典

防災の三助って何?

自助

 「自分の身は自分で守る」という考えに基づいて、自分や家族の命と財産を守るために、平時から災害に備え、災害発生時に適切に行動することです。
 災害発生時には、周囲の人は自分やその家族のことで精いっぱいで、また行政が本格的に被災者支援に動き出すまでには時間がかかります。

 

共助

 災害直後の被害を最小限に抑えるために、近隣住民や地域の人と互いに助け合うことです。
 災害発生時、まず行うべきは自分と家族の安全確保ですが、その後は、周囲の人と助け合いながら行動することが安全性を高め、生活の安定をもたらします。

公助

​ 行政による公的な支援です。
自助や共助は一般市民が行う防災であり、できることは限られています。
 大規模発生時には、消防、警察、自衛隊、市区町村役場などの公的機関が、個人では対応できない支援を行います。
 例えば、被災者の救助や救護、指定避難所の設営や運営、各種手続きなど災害応急対応、災害復旧・復興に関する対応などが行われることになります。

2020年4月

 

 2011年3月11日の東日本大震災を引き起こした地震や、その後に襲った巨大津波の発生そのものは今の我々にはどうすることもできないですが、あの東京電力・福島第一原子力発電所の事故だけは何とか防げたのではと悔やまれます。

事故内容とその設備の構造を知れば知るほど、本当に想定外の津波によって引き起こされた事故だったのかどうかと疑問が高まります。

 今月はこの東京電力・福島第一原子力発電所の事故内容について、今一度概要を知ることにより、今後他の原子力発電所においても二度と事故が起きないように、私たち市民レベルでも注視していきたいと思います。

※ 文章および図は「日本原子力文化財団」ホームページより引用

東京電力・福島第一原子力発電所事故発生の経緯】

 福島第一原子力発電所は、福島県太平洋沿岸のほぼ中央、双葉郡大熊町と双葉町にまたがっています。敷地の広さは、約350万㎡です。大熊町に1~4号機、双葉町に5~6号機と、合わせて6基の沸騰水型炉(BWR)が設置されていました。

【地震発生】

 2011年3月11日14時46分、岩手県沖から茨城県沖の広い範囲を震源域とし、日本の観測史上最大のマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震が発生しました。福島第一原子力発電所では、震度6強を感知し、運転中であった1〜3号機の原子炉は、すべて自動停止しました。

原子力発電所の安全を確保するためには、核分裂連鎖反応を「止める」、原子炉を「冷やす」、放射性物質を「閉じ込める」という機能があります。原子炉の自動停止により、「止める」機能は達成され、「冷やす」機能も動き始めました。4~6号機は、定期検査のため運転を停止していました。4号機では、燃料を使用済燃料プールに移してあり、原子炉内に燃料は装荷していませんでした。

【すべての電源の喪失】

 地震によって受電設備の損傷や送電鉄塔の倒壊が起こり、外部からの送電が受けられなくなりました。さらに、その後の津波の襲来が大きな被害をもたらしました。福島第一原子力発電所では、想定される津波の最高水位を6.1mとしていましたが、これを大幅に超える約13m(浸水高は約15m)の大津波が発生し、原子炉建屋やタービン建屋が浸水しました。これによって多くの電源盤が浸水してしまいました。また、1~5号機では、非常用ディーゼル発電機が停止し、全交流電源を失いました。そのうち1、2、4号機では、直流電源までも津波により失われました。

※ 主要な建屋設置エリアが低く、また非常用ディーゼル発電機やバッテリーは全てタービン建屋の地下に設置していたようで、私たちのレベルから考えても津波を軽視したコスト優先の設備設計のように思われ、本当に数多くの疑問が残ります!!

【冷やす機能の喪失】

 全交流電源を失ったことにより、交流電源を用いる冷却機能も働かなくなりました。さらに、直流電源も喪失して、原子炉を冷やす機能は順次喪失してしまいました。また、冷却用の海水ポンプも冠水し、原子炉内部の熱を海水へ逃がす除熱機能が失われました。こうして「冷やす」機能が喪失してしまいました。

【原子炉の損傷と放射性物質の放出】

 1~3号機では、原子炉圧力容器(原子炉)内に冷却用の水を送り込めなくなったため、原子炉内の水位が低下し、燃料棒が露出しました。やがて燃料を覆う金属が高温となり、原子炉内の水蒸気と化学反応を起こして水素が発生しました。さらに、原子炉を冷却できない状態が続き、燃料が溶融(炉心溶融)する事態に至りました。また、原子炉を覆っていた格納容器のシール材が高温で劣化し、発生した水素が原子炉建屋内に蓄積しました。これによって水素爆発が起こり、1、3号機の原子炉建屋が大きく破損しました。定期検査中であった4号機の原子炉建屋も、3号機から流入した水素によって爆発が起こり破損しました。

格納容器のベントが期待通りに行われなかったことなどにより、「閉じ込める」機能も失われ、大気中に多くの放射性物質が放出されました。

※ この爆発映像を見た時は、正直 『日本は終わった』 と思いました!!

 事故直後は、非常に高温となった原子炉内を冷やすため、消防車による注水を行いました。その後、汚染水から放射性物質などを除去して注水に再利用する循環注水冷却システムがつくられました。2011年12月、原子炉圧力容器の底部の温度が、おおむね100℃以下になり、環境への放射性物質の放出が大幅に抑えられたことから、政府は「冷温停止状態に達した」と判断しました。それ以降も、予備の配管や水源、ポンプの配備などにより、循環注水冷却システムを強化して注水を続け、原子炉は冷温停止状態を維持しています。

【福島第二原子力発電所】

 福島第一原子力発電所から南に約10kmの位置にある福島第二原子力発電所も、地震や津波の被害を受けました。海水ポンプが津波によって被害を受けたため、1、2、4号機の除熱機能が失われる事態となりました。
一時は、格納容器内の圧力が徐々に上昇していたため、放射性物質を含む気体の一部を外部に排出させて圧力を下げる緊急措置「格納容器ベント」の準備が進められましたが、発電所の所員などが人力で海水ポンプのモーターを交換し総延長9kmのケーブルをほぼ1日で仮設することで除熱機能が復旧し、格納容器ベントは行わず、全号機が「冷温停止状態」を達成しました。
福島第二原子力発電所は、主要な建屋設置エリアが海抜12mと高かったことや、津波の高さが福島第一原子力発電所に比べると低かったことから、福島第一原子力発電所ほど被害は大きくありませんでした。さらに、一部の外部電源や交流電源設備が使用できたことが、重大事故を防いだ大きな要因として挙げられます。

ミニ辞典

原子炉の種類は?

 原子炉には、冷却材として軽水(普通の水)を使う軽水炉のほかに、重水を使う重水炉、炭酸ガスやヘリウムガスを使うガス冷却炉などがあります。
日本の商業用の原子力発電所の歴史は、イギリスから導入したガス冷却炉(GCR、Gas-Cooled Reactor)で幕を開けました。その後、ガス冷却炉に比べて、コンパクトで建設費が安く、改良や大型化も期待できる軽水炉へと移行しました。
現在、日本にある商業用の原子力発電所は、すべて軽水炉です。そのほか研究開発用の原子炉として、冷却材にナトリウムを使う高速増殖原型炉「もんじゅ」があります。

沸騰水型炉(BWR、Boiling Water Reactor) 

 BWRは、核分裂によって発生した熱エネルギーを使って原子炉の中の水を沸騰させて蒸気をつくり、蒸気の力で発電用のタービンを回して電気をつくります。

このため構造はシンプルですが、蒸気は放射性物質を含む水からつくられているため、タービンや復水器についても放射線の管理が必要となります。
​事故を起こした福島第一原子力発電所もこのタイプです。

​ 軽水炉は、世界の原子力発電の中心にもなっている原子炉で、大きく分けて沸騰水型炉(BWR、Boiling Water Reactor)と加圧水型炉(PWR、Pressurized Water Reactor)の二種類に分類されています。BWRもPWRも原子炉の基本的な構成は同じですが、下図のような違いがあります。

改良型沸騰水型炉(ABWR、Advanced Boiling Water Reactor) 

​ BWRに改良を加えたのが、改良型沸騰水型(ABWR=Advanced Boiling Water Reactor)と呼ばれるものです。

ABWRは、従来は原子炉圧力容器外に設置していた原子炉再循環ポンプを圧力容器内に設置したもので、原子炉再循環ポンプの周辺配管をなくして、単純化しました。

また、制御駆動用動力源として、BWRの水圧動力源に加えて電動動力源を追加し、緊急時の安全性をより向上させています。

加圧水型炉(PWR、Pressurized Water Reactor) 

  PWRは、原子炉圧力容器内であたためた水は、BWRよりも高い圧力で一次系統の配管を循環します。

この高温・高圧の水から熱だけを蒸気発生器で二次系統の配管を流れる水に伝え、蒸気となったところで、タービンを回します。

放射性物質を含んだ水がタービンや復水器に行かないため、タービンなどの発電部分に関するメンテナンス性がBWRよりも向上しています。

​西日本の各原発はこのPWRタイプです。

2020年3月

 

 3月11日で、あの東日本大震災から丸9年となりますが、地震の強烈で長い時間の揺れだけでなく、その後に襲った巨大津波によって多くの人達が犠牲となり、また沿岸の街が壊滅的な被害を受けました。

 今月はこの地震による津波の発生メカニズムついてお伝えします。この津波の発生メカニズムを知ることにより、今後30年以内の発生確率が70~80%と非常に高い南海トラフ地震と津波に備えましょう。

【地震による津波発生のメカニズム】

※ 文章および図は「気象庁ホームページ」より引用

​◎津波の発⽣

  • 海底下で⼤きな地震が発⽣すると、断層運動により海底が隆起もしくは沈降します。これに伴って海⾯が変動し、⼤きな波となって四⽅⼋⽅に伝播するものが津波です。

  • 「津波の前には必ず潮が引く」という⾔い伝えがありますが、必ずしもそうではありません。

  • 地震を発⽣させた地下の断層の傾きや⽅向によっては、潮が引くことなく最初に⼤きな波が海岸に押し寄せる場合もあります。津波は引き波で始まるとは限らないのです。

津波の伝わる速さと⾼さ

  • 津波は、海が深いほど速く伝わる性質があり、沖合いではジェット機に匹敵する速さで伝わります。

  • 逆に、⽔深が浅くなるほど速度が遅くなるため、津波が陸地に近づくにつれ、減速した波の前⽅部に後⽅部が追いつくことで、波⾼が⾼くなります。

  • ⽔深が浅いところで遅くなるといっても、⼈が⾛って逃げ切れるものではありません。

  • 津波から命を守るためには、津波が海岸にやってくるのを⾒てから避難を始めたのでは間に合わないのです。

  • 海岸付近で地震の揺れを感じたら、または津波警報が発表されたら、実際 に津波が⾒えなくても、速やかに避難しましょう。

地形による津波の増幅

  • 津波の⾼さは海岸付近の地形によって⼤きく変化します。さらに、津波が陸地を駆け上がる(遡上する)こともあります。

  • 岬の先端やV字型の湾の奥などの特殊な地形の場所では、波が集中するので、特に注意が必要です。

  • 津波は反射を繰り返すことで何回も押し寄せたり、複数の波が重なって著しく⾼い波となることもあります。 このため、最初の波が⼀番⼤きいとは限らず、後で来襲する津波のほうが⾼くなることもあります。

海底の地震以外での津波の発生

  • 火山噴火や地震などによって火山体が大規模に崩壊し斜面を流下する土砂崩れ(岩屑なだれ)により発生した津波で、1640年北海道駒ヶ岳噴火津波、1741年の渡島大島火山津波、1792年島原眉山崩壊による津波があります。

  • 火山噴火よるカルデラ陥没形成や海中爆発が原因の津波は1833年インドネシア・クラカタウ火山津波があります。

  • 陸上地すべりによる津波としては1958年にアラスカ・リツヤ湾で発生した津波があり、地震に伴う地殻変動と地震の数分後に湾内を取り囲む急勾配の斜面で斜面崩壊が発生して海中に流入した大量の土砂により500 m を超える津波が発生した。

  • 地震の地殻変動による津波と沿岸部あるいは海底の地すべりが同時に起きたことによる津波としては946年アラスカ・アリューシャン地震津波および1964年アラスカ地震津波がある。

  • 他の要因で起こる津波は恐竜を絶滅に追い込んだと考えられている彗星の衝突があります。

ミニ辞典

波浪と津波はどう違うの?

★波浪 

  海域で吹いている⾵によって⽣じる波浪は

 海⾯付近の現象で、波⻑(波の⼭から⼭、ま

 たは⾕か⾕の⻑さ)は数メートル〜数百メ

 ートル程度です。

★津波

 ​

  津波は、海底から海⾯までの海⽔全体が

 短時間に変動し、それが周囲に波として広

 がって⾏く現象で、波⻑は数キロから数百

 キロメートルと⾮常に⻑いものです。

津波の高さとは?

  • 「津波の⾼さ」とは、津波がない場合の潮位(平常潮位)から津波によって海⾯が上昇したその⾼さの差を⾔います。

  • 気象庁が津波情報で発表している「予想される津波の⾼さ」は、海岸線 での値です。場所によっては予想された⾼さよりも⾼い津波が押し寄せることがあります。

日本で一番高い津波とは?

  • 2011年3⽉11⽇に発⽣した「平成23年(2011年)東北地⽅太平洋沖地震」による津波では、『東北地⽅太平洋沖地震津波合同調査グループ』による調査により、岩⼿県⼤船渡市の綾⾥湾で局所的に40.1mの遡上⾼(海岸から内陸へ津波がかけ上がった⾼さ)が観測されました。

  • ​記録に残っている中では、1896年の明治三陸津波(遡上⾼で約38.2mと推定:同じく岩⼿県⼤船渡市)を上回り、これまでに⽇本で記録された最⼤の津波となりました。

  • ただし、これらはこの100年間程度の記録が残されている範囲での値であり、それ以前にも同程度、あるいはより⾼い津波が⽇本の沿岸を襲った可能性があります。

  • ​近年、過去の津波の痕跡から浸⽔範囲を推定する調査が進んでおり、今後より⼤きな津浪の証拠が⾒つかるかも知れません。

2020年2月

 

 今月も先月に引き続き地震についてお伝えします。

1月17日はあの阪神・淡路大震災から25年になりました。また3月11日はあの東日本大震災から9年となりますが、これらの地震の発生メカニズムの違い等について理解し、今後30年以内の発生確率が70~80%と非常高い南海トラフ地震やその前後に起きると言われている内陸直下地震に備えましょう。

【地震発生のメカニズムと種類】

※ 文章および図は「気象庁ホームページ」より引用

  • ⽇本周辺では、海のプレートである太平洋プレートフィリピン海プレートが、陸のプレート(北⽶プレートユーラシアプレート)の⽅へ1年あたり数cmの速度で動いており、陸のプレー トの下に沈み込んでいます。

  • このため、⽇本周辺では複数のプレートによって複雑な力がかかっており、世界でも有数の地震多発地帯となっています。

  • プレートの内部に力が加わって発⽣する地震が、プレート内の地震です。

  • プレート内の地震には、 沈み込むプレート内の地震と陸のプレートの浅いところで発⽣する地震(陸域の浅い地震)があります。

  • 陸域の浅い地震の例としては、 「平成7年(1995年)兵庫県南部地震」、「平成16年(2004年)新潟県中越地震」、 「平成20年(2008年)岩⼿・宮城内陸地震」、「平成28年(2016年)熊本地震」があります。

  • 陸域の浅い地震は、プレート境界で発⽣する地震に比べると規模が小さい地震が多いですが、 ⼈間の居住地域に近いところで発⽣するため、大きな被害を伴うことがあります。

  • ⽇本周辺では、海のプレートが沈み込むときに陸のプレートを地下へ引きずり込んでいきます。

  • 陸のプレートが引きずりに耐えられなくなり、跳ね上げられるように起こるのがプレート境界の地 震です。

  • プレート境界の地震の例としては、南海地
    震、東南海地震、「平成15年(2003年)十勝沖地震」、 「平成23年(2011年)東北地⽅太平洋沖地震」があります。

  • 沈み込むプレート内の地震の例としては、昭和三陸地震、「平成5年(1993年)釧路沖地震」、 「平成6年(1994年)北海道東⽅沖地震」があります。

ミニ辞典

緊急地震速報はどのような時に出されるの?

★緊急地震速報発表の条件

 

  1. ⼀般の皆様に伝えられる緊急地震速報(警報)の発表条件は、2点以上の地震観測点で地震波が観測され、最⼤震度が5弱以上と予想された場合です。

  2. 2点以上の地震観測点で地震波が観測された場合とした理由は、地震計のすぐ近くへの落雷等による誤報を避けるためです。

  3. 最⼤震度5弱以上が予想された場合とした理由は、震度5弱以上になると顕著な被害が⽣じ始め、事前に⾝構える必要があるためです。

★緊急地震速報発表の内容

 ​

  1. 発表する内容は、地震が発⽣した場所や、震度4以上の揺れが予想された地域名称などです。

  2. 具体的な予測震度の値は、±1程度の誤差を伴うものであること、及び、できるだけ続報は避けたいことから発表せず、「強い揺れ」と表現することとしました。

  3. 震度4以上と予想された地域まで含めて発表するのは、震度を予想する際の誤差のため実際には5
    弱である可能性があることと、震源域の断層運動の進⾏により、しばらく後に5弱となる可能性があるというふたつの理由によります。

  4. 猶予時間については、気象庁から発表する対象地域の最⼩単位が、都道府県を3〜4つに分割した程度の広がりを持ち、その中でも場所によってかなり異なるものであるため、発表いたしません。

2020年1月

 

 1月17日はあの阪神・淡路大震災から25年になります。

今月はこの大震災を今一度振り返り、今後30年以内の発生確率が70~80%と非常高い南海トラフ地震やその前後に起きる内陸直下地震に備えましょう。

【阪神・淡路大震災】

       正式名:兵庫県南部地震 

1995年(平成7年)1月17日午前5時46分、淡路島北部の北緯34度36分、東経135度02分、深さ16kmを震源とするマグニチュード7.3の地震が発生した。

  • この地震により、神戸と洲本で震度6を観測したほか、豊岡、彦根、京都で震度5、大阪、姫路、和歌山などで震度4を観測するなど、東北から九州にかけての広い範囲で有感となった。

 

  • また、この地震の発生直後に行った気象庁地震機動観測班による被害状況調査の結果、神戸市の一部の地域等において震度7であったことがわかった。

  • 兵庫県南部地震は神戸・芦屋・西宮・宝塚などの大都市の直下に存在する六甲断層系の活断層が​活動して起きた大地震だったため、死者6,434人を出す大災害「阪神・淡路大震災」となった。

 

  • 耐震基準について、建築基準法が現行のものに改正される1981年6月1日よりも前に建てられた木造住宅などの倒壊による圧死や窒息死が死者の8割以上となった。

  • この大震災の被害発生直後から多くの人が駆けつけ、ボランティアとして救援活動に携わり、行政の対応限界を補う被災者、被災地支援を行った。

 

  • この1995年は「ボランティア元年」とも呼ばれ、以後の各地の災害では必ず災害ボランティアの姿が見られ、災害発生時には不可欠な存在となっている。

  • 一方で被災者のニーズとボランティアをつなぐ仕組みがないという課題も発生し、この苦い経験により「災害ボランティアセンター」が設置されて対応することになった。

ミニ辞典

★震度

 

  1. 震度は、ある場所がどのくらい揺れたかを表します。

  2. 同じ地震であっても、震源からの距離や地盤の揺れやすさなどで、揺れの大きさは変わってきます。

  3. 日本では、震度は0から7までの数字で決めています。そのうち、震度5と6は弱と強の2つに分かれているので、合計10段階あります

  4. その昔、震度は人(気象庁の職員)が体感やまわりの状況を見て決めていましたが、平成8年(1996 年)4月からは、計測震度計という器械で計測しています

★マグニチュード

  1. マグニチュード(M)は、地震そのものの大きさ、つまり地震の規模(エネルギー)を表 します

  2. 震度は場所ごとにそれぞれ決まりますが、マグニチュードは一つの地震に対して一つの数字しかありません

  3. 震源から出てくるエネルギーの大きさによってマグニチュードの数字は決まるので、大きな地震ほど数字が大きくなります

  4. 具体的には、ある地震に比べてマグニチュードが0.2 大きい地震は約2倍、1.0 大きい地震は約32 倍、2.0 大きい地震は1,000 倍のエネルギーを持ちます

 

★ガル(gal)

  1. ガル(gal)は地震の揺れの強さを表すのに用いる加速度の単位ある。

  2. 地震動の大きさは、加速度の大きさだけでは判断できず、その周期などが大きく影響する。

 

 ★カイン(kine)

  1. カイン(kine)は、地震動の大きさを表す単位としてよく用いられ、地震の揺れの強さを表すのに用いる速度の単位である。

  2. 速度でみる地震動の大きさも、加速度と同様に速度の大きさだけでは判断できず、その周期などが大きく影響する。

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